運営者
執筆
- ベビーカージャーナリスト
プロ・ベビーカーレビュアー。ベビーカーを10年間で100台以上押し比べてきた体験談を紹介。年間100件の購入相談に応える。講談社や晋遊舎の記事監修など
見習い
- 初産の妻のためにベビーカーを勉強中♂
とあるリス園の出身。妻メーサが少し早めの里帰り出産で実家へ帰ったため時間ができたのでベビーカー調査に乗り出す。代官山を練り歩いていたところ隊長(管理人パパ)と出逢い、話を聞くうちに感銘を受けて弟子入り
わたしの三児の育児とベビーカーの経験では、
といった使い方をした。
周りを見ていてもこのような使い方が6、7割かと思う。
残りの約3割がどう違うかというと、
が多いように感じる。
ここは関わり方でなにが正しかろうが変わる部分。
一方、一般的なデータとして「みんなは何歳で卒業したか?」が知りたくならないだろうか?
ある。
最もサンプル数が多かった(1,000*)アンケートを楽天ママ割が行ったものに見つけた。
https://event.rakuten.co.jp/family/story/article/2022/stroller/
*サンプル数が1,000件あると標本誤差は2%以内に収まるため信頼できるといえる
このデータによると、
A型・B型ともに卒業時期は
という結果だった。
実際に、
長男が生まれた2012年から今の三男(2024)まで、街角でベビーカーを押す両親、そしてそこに可愛く乗せられている子どもたち乗らずにベビーカーを押している子どもたちを見てきた10年以上の実感としては、
という印象だ。
当たり前だけど理由は「子どもが歩きたがったから」がほとんど。
あとは
でも個人的には、そういう世間的な認識を十分に分かったうえで
世の中のそれぞれの家庭独自の都合というものはきっとあるだろうから
4歳ってもう大きいけど、わが家の中では末っ子なのでいつまでも赤ちゃん気分が抜けない(ワシが)
ここは柔軟に考えて
に寛容な世の中であって欲しいと願っている。
実際にわたしへの購入相談依頼で福祉バギー代わりに選んで欲しいといったケースも2件ぐらいありました
こんな歳になっても乗せていて恥ずかしい…は軽く限界突破
子どもの成長スピードは様々です。
大きめの子もいれば、小さめの子もいる。
小さめの子でも活発なら肉付きがよくなり(筋肉)、体重は重くなる。
そんな様々なお客様のタイプに一概に「長く乗れる」とはメーカーも言えません。
メーカーが長く乗れるベビーカーであることをうたえる唯一の方法はシートの耐荷重能力を説明することです。
例えば、ベビーカーを探し始めたアナタはこんな表記を目にしたことでしょう。
生後1カ月~36カ月 (体重15kg以下)
国内メーカーのベビーカーに多いですね。
一方、こんな表記も見かけます。
生後1ヶ月〜22kg(4歳ごろまで)
前者は国内メーカーのベビーカーに多く、後者は海外ブランドのものに多く見られます。
ベビーカー選びのほとんどがこの2パターンのいずれかになります。(B型なら生後6, 7ヶ月~)
つまり、
体重(耐荷重) | 対象年齢 | |
---|---|---|
国内ブランドに多い | 15kgまで | 3歳まで |
海外ブランドに多い | 22kgまで | 4歳まで |
これが基本中の基本です。
そしてここからが応用編になりますが、海外ブランドの場合(グローバル市場でたたかっているメーカー)、各国の子どもの年齢別身長は様々になるので「●歳まで」という表記をしないことがあります。
それに対して、私たちができることは、我々の子どもの年齢別標準体重とベビーカーの耐荷重を照らし合わせて期待できる利用年齢の限界を知ることだけです。
例えば医学博士など専門家がサポートする成長の専門サイト「スクスクのっぽくん」から年齢別身長データを引用し、年齢別に求めたい耐荷重能力を計算してみました。
■ ベビーカーの耐荷重と年齢の関係表(引用元データより算出)
平均体重(男女) | メーカー年齢表記 | |
---|---|---|
3歳 | 15.2kg | 15kg以下 |
4歳 | 17.3kg | 18kg以下(国内) 22kg以下(海外) |
5歳 実質的な限界ゾーン | 19.7kg | – |
6歳 | 22.6kg | – |
7歳 | 25.4kg | 25kgまで |
8歳 | 28.8kg | – |
9歳 | 32.6kg | – |
表をよく観察すると、メーカーが表記している重量に余裕を持たせていることがわかります。
これはシートの下カゴ(荷物かご)の積載可能重量を含めた考え方によるものです。
参考までに。
耐荷重の表記だけ見ていたらドツボにはまりやすい
長くなった脚をどう考えるか?がポイント
4歳、5歳というと脚もずいぶんと長くなっているので寝たときにその脚が地面に引きづられないかが課題になる。
三輪ベビーカーのように姿勢はやや後傾するが脚を前に投げ出せるタイプ*ならそのリスクも少なくなる。
*参考:5歳が乗車例(https://kristybythesea.com/city-mini-gt2/)
ただし、それでもある一定ラインを超えると前輪に足が巻き込まれるようなリスクは残るだろう。
国内にこの条件を満たせるベビーカーは少なく(たしかに耐荷重は22kgだが子どもの体格を受け止められるスケールのものは限定される)、大目にみてバタフライ程度。
なお、このカテゴリーで両対面式を挙げること自体がナンセンスなのかもしれないが、私が子どもたちを乗せていて5歳が乗っても運搬可能レベルだったものはバガブー フォックスぐらい。
どちらもハイシートなのでそれはもう目立ってしまうのだけれども、それほど長く乗り続けられるということ=剛性の高さからくる重さのデメリットをそこで帳消しにしてくれる点は強調しておかなければならないだろう。
これぐらいのレベルになると将来売却してバタフライ再購入の軍資金にすることが可能だ。
細かいところだが膝下の余裕はバタフライの方が大きい。
逆にエアプラスの方が足置き場に足裏が接地するのが早いだろう。
ただそこについてもバタフライはレッグレストでその1~2歳の中間年齢の課題を吸収しているところが魅力である。
こちらも上と同様。
どちらの方が長い時期に渡って足を投げ出せるかは明白。
バタフライは他社の競合モデルよりもやや全長が長めである点に操舵感の点で不安に感じる人は少なくない。
ただそこにいつくもの「なぜならば…」があるのがこのブランドの魅力だと感じている。
4歳を超えて、5歳以降まで長く使えるベビーカーは実は日本に少ないです。
このレベルからは格段に脚の長さの問題が出てきて厳しくなってきます。