代官山にバタフライ2のライバルを求めて

メディアの編集者や実務家など、素人以上芸能人未満層の利用者も多いと感じる『バガブー』というブランド。
そのブランドのラインナップがすべからく高機能であることは言うまでもないが、だからといって必ずどの家庭にもマッチするわけではないと断っておきたい。
しかし2026年3月現在、日本での利用においては最高の選択肢となりえる機能バランスの総合第一位のモデルがバガブーにはある。
それが『Butterfly2(バタフライ2)』。

初子ママが憧れる対面式でハイシート♪
ではない
軽くてラクラク~♪
でもない
- 抜群の押し心地
- 考え抜かれた居室機能
- 長く使える高剛性
これ一台でベビーカー卒業までを叶えてくれる(しかも第二子に乗り継いでも)、コンパクトベビーカー界の頂点である。
だから私はこれを相談室で提案することが多いのだが、バガブーからお金をもらっているわけでもなく、宣伝し続けるような義務はない。
ただこのブランドには、このモデルには、極めて高いエンジニアリング力から来る機能美を認めているので自然と提案に含めているだけだ。
ということで逆に考えると、毎日「これ以上のものはないか?」について目を光らせて、このカテゴリー(背面式A形コンパクト)での最高峰に入れ替わりがなかったかに事情通でなければならないと考えている。
バタフライ2を上回る候補はないか?
「バタフライ2より上があるならそれは何が考えられるか?」
「どんな使い方・ライフシーンではバタフライ2を上回るか?」
気になるモデルが見つかれば、すぐさま試しに出かけたい。
そんな視点から、今年発売された高級A形背面式カテゴリーの注目の2機種(『マキシコシ フェイム キャビン』と『シルバークロス ニア』)を求めて、それらを一気に試せる場所、代官山へ赴いたのであった。


マキシコシ フェイム キャビンと比べて
バタフライ2のデザインにもっとギラッと感、遊びが欲しかった人向け
デザインはとてもよろしい。
ただ、総合バランスではそのデザイン部分の有利というか挑戦をバタフライ2がまるっと包みこんでマウントを取ることになるだろう。

ポップなブランドロゴと対極なラグジャリーなあしらいがここそこに。


跳ね上げ式のショルダーベルトはバタフライ2にもある機能。
バガブーと同じオランドブランドの真髄が見える。

レッグレストの高級感も素敵。

ただ、この部分がメッシュデザインである必要性が見えない。
RISUあっ!エアラブなどのファン付きベビーカーシートの吸気対策なのかもですよ!!
日本のユーザーには靴を履いたままでは汚しやすく、拭き取りづらいと不評を買うだろう。


荷物かごは十分な空間容量を誇り、耐荷重性能もバタフライ2と同等。
フレーム強度、そしてハンドルから降りてくる推進力を前輪に伝えるフレーム構造もバタフライ2なみに考えられていた。


カラーバリエーションは2色。
左側には新発売のunilove ファン&ミストクールマット COVA AIが装着されていた。



男がベビーカーを押していても、これなら様(サマ)になる


サスペンションストロークはしっかりあった。
しかし、車輪径の点ではバタフライ2に劣るので走破性能は「良」程度の評価としたい。


ハンドル一はかなり高めで成人女性の平均身長からは高すぎると感じた。
しかし、ハンドルにベビーカーフックを取り付けてオーガナイザーなりいろいろぶら下げて歩きたい人にとってはこのぐらいの高さで押せたほうが振り脚とハンドルの間の荷物空間を潰さずに押せるので楽かも。




リクライニングのアップライトポジションはスペック表記よりもやや緩め。
このベビーカーは乳児期にフォーカス強めのプレミアム・コンパクトという位置づけなのだろう。


フレーム形状から推測すると、斜路は苦手だろう。
重量感はあるが、平地の走行ではそれが安定感に繋がっており、まったりとした走行性はカテゴリーは違うがサイベックス ミオスに通じるものを感じた。
都心の、都会の、車利用の多い家庭に向いていそうだ。


装飾的なデザイン以外の機能性はバタフライ2に肉薄するが、コスパ(価格)の点では敢えてこちらを選ぶメリットが薄い。
それでも市井のサイベックスや、ストッケ、バガブーとも違うオーラを纏っている。
分かる人にしかわからないプレミアム・コンパクトの印象だった。



これが電動アシスト付きに進化することを心より願っているし、そこに可能性があると感じた
シルバークロス ニアが上回る点
コットを装着したデザインに満足したい人向け
これに尽きる。
そして、これで尽きる。


バタフライを真似ると(オマージュ)、エンジニアリング能力の差が如実に出てしまう。
質感・機能・サイズバランス、どれをとってもバタフライ2の方が上だろう。
しかし、コットを装着したままでコンパクトに折り畳める構造的工夫は挑戦を称えたい。
たが日本でそこまでコットを装着した姿にこだわりたい潜在ユーザーが居たか?については疑っている。
モニター調査したならば世の若いママたちは「素敵~♥絶対日本で売れますよ~」と言ってくれただろうけど、実際のユーザーはもっとしたたかで容易に裏切る。
外観は独特で素敵だけれど、
やっぱ重すぎるわ…
レッグレストの機能が中途半端かも??
他と比べたらコット以外の優位性が(この価格のせいもあって)無いかも・・・
そして、
コットを使うなら、
乳児期は対面式で!にこだわるなら、
このコット高さでは低すぎて赤ちゃんとの距離を感じるし、お世話が劇的に楽になるというメリットもない。
真剣に調査しているママたちは気づくはずだ。
本当は「日本のベビーカーシーンのこれから」を思うと、こういう挑戦的な商品こそ売れてくれた方がいいのだろうけれど、まず販売員さんにとっては難しい一台に感じた。


