運営者
執筆
- ベビーカージャーナリスト
プロ・ベビーカーレビュアー。ベビーカーを10年間で100台以上押し比べてきた体験談を紹介。年間100件の購入相談に応える。講談社や晋遊舎の記事監修など
見習い
- 初産の妻のためにベビーカーを勉強中♂
とあるリス園の出身。妻メーサが少し早めの里帰り出産で実家へ帰ったため時間ができたのでベビーカー調査に乗り出す。代官山を練り歩いていたところ隊長(管理人パパ)と出逢い、話を聞くうちに感銘を受けて弟子入り
2022年。
「メリオ、年一のペースでリニューアル確定か~」と驚いていたのもつかの間、アップリカが刺客を送ってきた。
その名は『ルーチェ』。
輝き(LUCE)という名にふさわしくない役割どころとしてはメリオのヒットマンである。
メリオもルーチェも両対面式ベビーカーである。
ここ数年のベビーカー業界では特に人気の高い、多段階式リクライニングができて、しっかり上体を起こせるタイプの。
多分、このページを見に来てくれたアナタは、
「メリオを買おうと思っていたけれど、急にメリオに似た機種(ルーチェ)の発売を聞いたのでメリオを買っていいかどうか不安になっているの~」な人だろう。
単刀直入に言おう。
たぶん、そのままメリオを買っていい。
でも、その根拠は?が気になる人はこの先を読み進めて欲しい。
まずここからはじめよう。
一言でいうと、ほぼ同じだ。
ルーチェはメリオ 2021年モデルの生き写しと考えていい。
ここにアップリカらしさとしてシートのクッション性を強調したかったのだと思うが、蓋を開けたらびっくり!
メリオ 2022年モデルがモリモリのシートクッション(しかもメッシュ!)でバージョンアップしてきた。
きっと、ルーチェ開発担当者は「うぐっ!」と唸ったに違いない。
サイベックス メリオ | アップリカ ルーチェ | |
---|---|---|
タイプ | A型 両対面式* *シート付け替え型 | A型 両対面式* *シート付け替え型 |
対象年齢 | 生後1カ月~36カ月 (体重15kg以下) | 生後1カ月~36カ月 (体重15kg以下) |
発売日 | 2022年2月21日 | 2022年2月25日 |
価格 | 71,500円(カーボン) 61,600円(アルミ) | 79,200円(プレミアム) 69,300円(通常版) |
カラー | ブラック ネイビー グレー プレミアムブラック プレミアムサクラ | コットンホワイト ムーンブラック モニュメントグレー シーシェルベージュ ハイビスカスレッド オーシャンブルー |
重量 | 5.8kg(カーボン)* 6.0kg(アルミ) *インナーシートを除く | 5.9kg* *インナーシートを除く |
フレーム構造 | ストレートフレーム | ストレートフレーム |
シート高 | 53cm | 57cm |
サスペンション | 前輪(振動吸収エラストマー) 後輪(サスペンション) | 全輪(サスペンション) |
折りたたみ | 三つ折り W49xD54xH69cm | 三つ折り W53.9xD35.5xH74.6cm |
リクライニング機能 | 3段階 107°~166° | 4段階調節 115°〜171° |
ハンドル高さ調節 | 3段階 | 3段階 |
荷物カゴのサイズ | 38ℓ収納(耐荷重5kg) | 57ℓ収納(耐荷重5kg) |
トラベルシステム | 対応している | 対応している |
公式ページ | こちら | こちら |
さて、この比較表から分かることは?
めちゃんこ似てる!ってことでしょうか!?
では、一番の違いは?
ひぃ~ご勘弁を~~
だよな(笑)
で、もったいぶらないで教えて下さいよ~
それはずばり見た目以外の部分にある。
つまり使い勝手の違いだな。
まずここからはじめよう。
一言でいうと、ほぼ同じだ。
ルーチェはメリオ 2021年モデルの生き写しと考えていい。
見た目の印象はやはりびっくりするぐらい似ていた。
全体的にルーチェの方がメリオよりも幅広。
後輪の幅もルーチェの方が広い。
全長は最大でルーチェが92.3cm、メリオが91cmとほぼ同じ。
街中で見分ける際の手がかりはほぼハンドルの色だけが頼りになる*。
*ただこれもプレミアムモデルの「プレミアムブラック」を選択されるともうほぼ見分けがつかなくなるのだが…
ハンドルの高さはほぼ同じ。
それぞれ3段階の角度調整幅はルーチェよりもメリオの方がレンジが広い。
どちらも通常ポジション(フレームに沿ったストレートな位置)は101cm程度と見える。
ハンドルのデザインについて見ると質感はどちらもフェイクレザーを採用しており高い。
握った際にルーチェの方がすっきり感じるのはハンドル高さ調整のレバーがハンドル中央部に付いておらず、その操作をハンドル脇のプッシュ式ボタンでおこなうという配置場所の違いによるものである。
ルーチェ方式だとハンドルの高さ調節に両手での操作が必要になってしまう。
一方、メリオ方式だとそれを片手で行えるものの片手運転時にはハンドル中央部が太く持ちづらいと感じる。
アップリカがこの部分に意図して違いを出したのかは分からない。(多分違う)
ルーチェとメリオ、どちらもフロントバーの質感は高い。
開閉のしやすさについて言うと、ルーチェは操作ボタンが下側に付いており、最初どこから開けられるのか分からなかった。
また、バーを挿入する入り口もメリオよりも狭い構造だったが、こうした理由がきっとあるに違いない…
新生児用インレイはどちらもメッシュタイプで似ている。
センターよりの配置のルーチェに対して、メリオカーボンのそれは包み込むようにできている。
ルーチェがマグネット式ベルトに対して、メリオは従来型のハーネスを採用。
着脱の容易さは圧倒的にマグネット式に軍配が上がるが、一部のユーザーはマグネットを不安に感じる人もいる。
シートリクライニングの角度調節を支えるユニット部分はルーチェの方が大きい。
全体的な印象ではルーチェの方がメリオよりも幅広であるが、このユニット部分の大きさの差がメリオのコンパクトさに比べて影響したと考える。
シートリクライニングの角度調節を支えるユニット部分はルーチェの方が大きい。
全体的な印象ではルーチェの方がメリオよりも幅広であるが、このユニット部分の大きさの差がメリオのコンパクトさに比べて影響したと考える。
TPU素材のメリオに対して、ルーチェはアップリカの定番素材。
静音性能はメリオの方が高そうに見えた。
直径はメリオが16cm。ルーチェもたぶん同じだろう。
どちらのデザインが好みかな?
折りたたまれた状態を比較するとわずかにルーチェの方がコンパクトに見える。
上部にはどちらにもハンドストラップがあり、手で持ち運びやすい。
重量6kg以内のたまものだろう。
じっくり見ていると気になる点が、、
このフレームがあるならストラップの方は要らなかったのでは?
なぜ付けたのか不思議である。。
そして、最後に注意して見てもらいたいのが以下の違いだ。
ルーチェのハンドルが地面に接地しているのに対して、メリオは接地していない。
コロナ禍で衛生面を心配する人はどう考えるだろうか?
ルーチェのシートリクライニングの角度調節方法はメリオとまったく同じ。
心配しないで!
ルーチェのシートバックはいかにも通気性が高そう。
まぁ、ここでメリオと見分けられるといえばそうなるけれども大概はベビーカーフックで隠れちゃうから。。
ルーチェのシート下荷物カゴの空間容積はクラス最大級の57ℓ(耐荷重5kg)!!
正面からすれ違う人はなにかキャリーワゴンに椅子がちょこんと付いているの?と思うぐらい圧倒的スペース。
いや、もうこうなるとここにチャイルドシートかペット用座布団でも敷きたくなるぐらいです。
ルーチェのフットブレーキの位置は右より。
メリオ 2020年モデル、2021年モデルと同じ位置であるが、つい先日先行して発売された2022年モデルではこの位置がセンターに来たので上手くかわされた感がある。
「サイベックス、もしかして知ってた?」
これがですね。
期待を肩透かしするわけですが動画を撮っていません。
というか、ここはアカチャンホンポさんの売り場だったのでさすがに堂々とそれを撮影するのははばかられました。。
店内を押して回った印象としては、操舵性はほぼ同じです。
ただ、ツルツルの床の上を押し比べただけなのでまったく参考になりませんが、、
もう少しヒントとしては、何も乗せていない状態の違いとして、
メリオだと前輪が少し浮つく(ウイリー気味になる)のに対して、ルーチェは前輪にも重みを感じ(安定)ました。
私の経験上、これについてはどちらが良い悪いとはここで言えないですね。
メリオには後輪よりの重心をあえて取ることで段差乗り越え性能を少しでも高めようとしている狙いを感じます。
実際にルーチェを段差に突入させてみないとここの性能差に言及できません。
一方、サスペンション性能については、
ルーチェは全輪サスペンション搭載で、特に後輪の効きは良かった。
後は本当に段差に突入した場合にどうかというところ。
さてと、ここまででメリオとルーチェの違いについてかなり詳しくなっていると思う。
最後は、購入後の生活を考えた場合のカタログには見えづらい部分について紹介して終わりにしたい。
まずは、
本体には付属してこないオプション商品のバラエティに違いがある。
サイベックス メリオ | アップリカ ルーチェ | |
---|---|---|
新生児用インレイ | ○ 単品購入可 | × 単品購入不可 |
シートマット | ○ 3Dメッシュシートライナー | ○ マルチシートマット |
ハンドマフ | × なし | ○ あり |
フットマフ | ○ プラチナムフットマフ | ○ フットマフ |
レインカバー | ○ メリオ専用レインカバー | ○ マルチレインカバー |
カップホルダー | ○ あり | × なし |
メリオの方が少しだけモデル専用のオプション品が多いですね。
アップリカはブランド全体をカバーするオプション品が多い。そのせいかどこかデザインのトーンに幅があるよな。
どちらもトラベルシステムに対応していますが、ルーチェはそれに加えてキャリーコットの装着にも対応。
新生児からの移動にも安心でしょう。
サイベックス メリオ | アップリカ ルーチェ | |
---|---|---|
アダプター | ○ メリオシリーズ カーシートアダプター | ○ ルーチェ TS アタッチメント |
装着対応 ベビーシート | ○ cybex エイトンM(ベースM) cybex クラウドZ(ベースZ) | ○ エアキャリー(トラベルシステム ベース) |
キャリーコット | × なし | ○ キャリーコット & カーベッド |
意外にもトラベルシステム構築にかかる費用感は同じぐらいですね。
うん。トラベルシステムを構築するともう一台買えてしまうけどな。。
ちょんと読んでくれた人は分かっただろうけど、目次からここにビヨーン!とジャンプしてきたアナタでも分かるように言います。
私が感じている表には見えづらい違いとは、
ルーチェはメリオに近いものがあるが似て非なる使い勝手
それは、折りたたみ・展開のしやすさだったり、ハンドル周りのユーザビリティ(地面に接地・高さ調節動作のしやすさ)の違いです。
見た目はほぼ同じですが、使い勝手がかなり違います。
ただ、今回の検証では外で走らせていないので、これでルーチェの方が悪路でも圧倒的に押しやすかったり、段差乗り越え性能が高かったらごめんなさいです。
アップリカの挑戦として素晴らしいものがありますが、いまようやくメリオが国内で発売された2020年3月当時に立っている印象です。
2年かけて熟成されたメリオ3に対して、ルーチェはまだ初代。
ここから追いつけ、追い越せに期待したいです。
隊長の相談室アーカイブを読むと「ラクーナ→メリオ」の買い換え希望者が目立ってましたもんね!
ラクーナは悪くないベビーカーだと昔から言ってるんだけど、最近のママのニーズは「段差乗り越え」と「姿勢サポート」だからな。
でも、この流行も見方を変えて提案すれば形勢は逆転する。
そっ、それはなんと申す❗❓
それは、メーカーこそ気づいているはずだけどね。
うぐっ!
ここがポイント
下記はいずれもショップレビュー検査済み店舗
管理人がお得&安全と判断したショップ
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