運営者
執筆
- ベビーカージャーナリスト
プロ・ベビーカーレビュアー。ベビーカーを10年間で100台以上押し比べてきた体験談を紹介。年間100件の購入相談に応える。講談社や晋遊舎の記事監修など
見習い
- 初産の妻のためにベビーカーを勉強中♂
とあるリス園の出身。妻メーサが少し早めの里帰り出産で実家へ帰ったため時間ができたのでベビーカー調査に乗り出す。代官山を練り歩いていたところ隊長(管理人パパ)と出逢い、話を聞くうちに感銘を受けて弟子入り
ベビー用品メーカーのピジョンより、ひっそりと新作ベビーカーが登場していました。
その名は『Amazon限定モデル CALNAS(カルナス)』『Amazon限定モデル CALNAS(カルナス) ライト』。
どちらもAmazon.co.jpでのみの販売となっています。
カルナスとカルナスライトの大きな違いは、オート4輪切替機能の有無(対面・背面式のハンドル切替に追従して前タイヤが自由に動く)点です。
公式サイト:https://products.pigeon.co.jp/item/index-2114.html
公式サイト:https://products.pigeon.co.jp/item/index-2115.html
オート4キャスの元々の開発元はコンビのようですが、かつてアップリカとバチバチの訴訟になったことがあります。オート4キャス機能の組み込みの有無は大した違いが無いようにみえて特許料の支払いなどで1万円程度割高になるのはそのせいなのかもしれません。
理由がなければピジョンもわざわざAmazon限定でこのような両対面式ベビーカーを出すこともないでしょう。
両対面式ですでに人気の「ランフィ RB0」「フィーノ」というモデルもライナップしているわけですし、わざわざダブルタイヤにして廉価版を出す意味を疑います。
個人的に思うのは、今回のピジョンの新作ベビーカーは明らかに『両対面式ベビーカーのカテゴリーでハンドル高さを変えられる市場(価値)』を狙いに来ています。
それではライバルを考察してみましょう。
オート4輪切替の有無によって、競合マーケットが変わりますので、それぞれのモデルごとの競合を挙げていきます。
『カルナス』の競合は「オート4輪切替機能」 × 「ハンドル高さが調整できる」両対面式ベビーカーになります。
『カルナスライト』の競合は「軽量4kg台」 × 「オート4輪切替機能なし」 × 「ハンドル高さが調整できる」両対面式ベビーカーになります。
ベビーカーの予算の相場は「20,000円~50,000円」の価格帯にあると言われていますが、私は価格帯ごとに以下の3つに分類できるように思います。
今回のカルナスは、一番ボリュームの多い【中価格帯】を狙いにきた商品で、他のメーカーでは高価格帯商品にしか装備されていなかった機能をこのカテゴリーに持ってくることで差別化することが狙いなのではないでしょうか。
身長差のある夫婦で、予算が限られている(海外ブランドほどは遠慮したい)という層に対して、新たな選択肢を用意したと言えるでしょう。
予算に余裕があり、どこまでもデザインなどにこだわれる人たちは、下記の両対面式ベビーカーを検討するはずですが、比較して価格が2倍近くにもなることからこのように考えました。
私の予想では、Amazonで「実際に店頭で確認せずして売れるベビーカーの価格帯」が今回のようにぎりぎり2万円台・3万円台の商品なのだと思います。
しかし、販売店に卸す価格でこの機能の実現は難しく、また、すでに量販店には利益率の高い既存ラインナップを卸価格で展開しているため、店頭マーケットでの共食いをさけるために、販路をAmazon.co.jp一本に絞っているのだと。
小売店で増えつつある「Amazon.co.jp限定」の実態は下記の記事にわかりやすく書かれてあるので、興味のある方は参考までにご覧ください。
参考:「Amazon限定」がガジェット周辺で増えつつある理由 (1/2) – ITmedia
https://www.itmedia.co.jp/pcuser/articles/1902/10/news013.html
シンプルにピジョンの新作ベビーカー(カルナス)を紹介すれば良いだけだったはずが、話がかなり長くなりました。。
今回のピジョンによる市場のペネトレーションは興味深いアクションです。
私は以前から「ハイシートのブームにあわせてハンドル位置が高くなってきているけど、実際それでママさんが使いやすいんか?」はずっと主張してきました。
デザインや機能性はさておき、今回のカルナス、カルナスライトは両対面式ベビーカーで、夫婦の身長差を考えて押しやすさを見極めたい二人にとって、この価格帯では唯一無二の選択肢になるでしょう。
あとは、もう一つのオススメとしてはより高価格帯のモデルであっても、1世代前のモデルが型落ち商品として値下がりするタイミングを待って購入するというテクニックもあります。
国内メーカーのベビーカーは「行き過ぎた高機能」モデルも多いので、1年半前の新品であれば、今でも十分に価値あるものとして活躍が期待できるでしょう。
ここがポイント
下記はいずれもショップレビュー検査済み店舗
管理人がお得&安全と判断したショップ