メリオが走行性はいいが、段差に強くない理由

メリオの走行性はいいと言われる。
たしかにストレートフレームとシングルタイヤは、力もまっすぐ前輪に伝わりやすく、路面との摩擦抵抗もダブルタイヤに比べて低く抑えられる。
しかし、段差への衝突・乗り越えやすさについてはこれが逆に仇(アダ)となる。
力の垂直成分が強すぎて、障害物への衝突ではベビーカー全体に後ろ向きの回転力(前のめり)が発生してしまう。
解決するには、

低位置の水平フレームで前後輪を連結して、段差への力を水平方向(水平成分)に変えてあげればいい。
段差につまづきたくなかったら、こういうフレーム構造のものを選びたい。

でも、メリオが悪いわけじゃないんですよね?



そう。メリオは軽さを追求した国内メーカーと同じ立ち位置で、そもそもママたちに「乳児を乗せて、段差になんか突っ込まないよね?」のマナーがあることを前提にしているから
段差には甲斐甲斐しく、立ち止まって、ゆっくり超えていくことがお約束が大前提である。
だから軽い押し心地ではあるけれど、機敏性はそこまで高くない。
「どんどん行くぜ~!!」のタイプではないことを理解して買うなら私はいいと思う。
メリオよりもミオスやコヤ、そして他のゴールドラインのリベルやオルフェオの方が段差を乗り越えやすいと感じるのは車両動力学に基づいたこのあたりの構造が影響していると考えている。


荷物が入れづらいの裏にあるメリット







でもメリオはサイベックスのラインナップの中で「最軽量」だから。ここは国内メーカーには足りていなかった「押し心地の軽さでは勝って、走破性(段差乗り越えやすさ)は同程度にセッティングすれば勝てる」の算段で企画されたものと読む



でも最近の国内メーカーはピジョン エパやアップリカのルーチェなどメリオに追いつけ!追い越せ~なモデルも出てきてますよね!



で、私はそれらも同じような構造的なデメリットを持っていると感じているだ。そこをライバルと同じように継承しないのが打ち勝つための強さだと思うのにパクったらオマージュしたらそうなるわ・・・



それなら軽量タイプで走破性の良いベビーカーの候補がなくなってしまいませんか?



だから、そこはトレードオフなんだって



はて?



ハイシート(高重心)で、軽量(6kg台)で、走破性も高いというのは無理がある。けれどもそれに近いものはヌナ イクサ ネクスト(6.6kg)かもしれない。しかし、メリオとの差は僅か出し(その割に価格差大きいし)、駅改札の通常ゲートを通り抜けられない欠点もあるから、このカテゴリーの決定打には欠いている状況だと思っているよ



このジャンルで走破性を求めるのは元々無理があるってことでしょうか?



そういうことになる。対面式の幸せは子どもを見続けられる幸せだったり安心感だよね。特にデリケートな時期の。その時期を超えてから走破性でガンガン走ろうぜモードに切り替えてB形への乗り継ぎ(リベルとか)を考えればいい



そうしない場合は?



重量級の足回りもパワフルで森林も砂利道もものともしない剛性も走破性も高い堅牢なベビーカーに覚悟して挑戦せよ!ということだな。手頃なものだと6万円・8kg台からあるからね



なるほど!万能ってないわけですね!!ベビーカーで躓きまくってモタモタする精神的な重さと、段差で躓かないけどベビーカー本体の重さで階段がしんどい身体的な重さと、どちらが「まだマシ!」なのかを見極めようと思います!



(おっ!わかってきたな・・・)
ということで、
私も購入相談室で受ける「対面式が良くて、軽くて、段差や砂利道に強いものがいい♪」に応えたくても答えられない現実があるってことで、それなら中途半端な対面式よりも最近ではバタフライ2を推すことが多くなっているというわけでした。
すごく脱線したけれど、おわります。