運営者
執筆
- ベビーカージャーナリスト
プロ・ベビーカーレビュアー。ベビーカーを10年間で100台以上押し比べてきた体験談を紹介。年間100件の購入相談に応える。講談社や晋遊舎の記事監修など
見習い
- 初産の妻のためにベビーカーを勉強中♂
とあるリス園の出身。妻メーサが少し早めの里帰り出産で実家へ帰ったため時間ができたのでベビーカー調査に乗り出す。代官山を練り歩いていたところ隊長(管理人パパ)と出逢い、話を聞くうちに感銘を受けて弟子入り
ベビーカー選びが進んできた頃、車移動が多い人ならトラベルシステムという言葉をきっと目にすると思う。
ベビーカー自体がそもそもトラベル用って感じするもんね。なぜそこにシステムと付けるのか…
トラベルシステムとは、ベビーカーとチャイルドシート、そしてチャイルドシートを車内に固定するためのベースの3つがセットになったものを言う。
赤ちゃんを車からベビーカーへ、あるいはその逆へと簡単に移動できる便利なシステムで、新生児期から使えるものです♪
ここでは私が実際にトラベルシステムを使って、三男の生後1ヶ月~生後6ヶ月を過ごした経験でのからのメリットとデメリットを赤裸々に語っていきたい。
トラベルシステムの導入を検討している人にはちょっとビビってしまう内容かもしれないけれど、安心して欲しい。
気持ちが凹むようなことにはならないはず。自分で使ってみて、デメリットもそりゃあるけど、メリットが上回ったな~の感謝の気持ちがあるから伝えたいと思って書く記事だから。
いろんな楽があるけれど、寝た子を起こさないのが一番のメリットで、それによる恩恵として夫婦の時間が増えたり、車を使っての移動楽もあわせて産後間もない時期のストレスを最大限に抑えられる可能性がある。
トラベルシステムの導入を考える際、実は少なくない親が「本当に必要なのか」「後悔しないか」を心配している。セット買いは高額であること、使い勝手への心配などさまざまな不安要素が「後悔」というキーワードでの検索につながっている。
「高額」というのは各家庭の収入状況にもよるのでここでは思いがけないデメリットとしては外して考えたい。
では私が実際にトラベルシステムを使ってみて感じた一番のデメリットを3つにまとめると、
重い!
短い!
暑い!
の3つになる。
それぞれ簡単に説明しよう。
ベビーカーの重さが1.5倍に
ベビーシートといえど車が万が一事故に遭遇したとしても新生児を護れる高い剛性を兼ね備えている。そんな頑丈な代物は当然重くなる。それをベビーカーに乗せる。するとベビーカー2台分とまではいかないが1.5台分ほどの重量になる。そうなると階段は難しくなる。
例を挙げよう。
→ ただここは車で移動していることが大前提なので無視していいかもしれない
高いのに利用期間が短め
なにが短いのかと言うと利用期間だ。ベビーシートの多くがその対象年齢を生後18ヶ月までとしているが6割程度ウソがあると思って欲しい。ベビーカーは屋外で使う移動の乗り物。周りの景色も変わっていく。そんな風景を目の当たりにしながら、腰ずわりするような頃(生後7ヶ月頃くらい)からシート内でムクムクと起き上がらないことを想像するほうが難しい。「外を見たい!」となったら利用は終わりである。我が家の場合はそれが生後7ヶ月前にやってきた。ベビーカーの上に約半年しか乗せられず、メリットも半年しか得られないなら割高と考えるのはしごく当然のこと。
けれど、このたった半年でも慣れないママにはすごく大変さを感じるかもしれないし、少しでもラクできるものがあるなら金に物を言わせて利用したい人もいる。体力を節約できる価値は人によって様々だから。
真夏の屋外利用は危険
実は一番の盲点がここ。ベビーシートは夏場蒸しやすく、エアラブなどのファンシートを敷こうにも構造上背面通気が難しくどうしても暑さの問題がつきまとう。
屋外でつかって汗びちょになった背中で、車内に戻ればガンガンにエアコンが効いて、といった温度差が子どもの体調を崩すきっかけになりかねない。
それとて親の工夫(甲斐甲斐しいお世話)でなんとかできるものかもしれないが、トラベルシステムの適当時期(嬉しい季節)は秋から春にかけてと覚えておいて欲しい。広めにとったとして10月から翌年の6月初旬まで。真夏だけは避けよう(夏生まれには不利)。
これら以外には、
がよく聞かれるところだけれど上記ほどには大きな問題でないと考えている。
三男の誕生からほどなくしてdoonaを使いはじめて、ものすごく良かった点は車移動が多い我が家では本当に車への乗せおろし(上げ下ろし)が楽だったということ。
それはそこにかける時間が節約できるということでもある。
毎日のお出かけ。
晴れた日ばかりではない。
出先には屋根のない駐車場だってある。
そんな場所で大雨の中、傘もさせずにアタフタしながらベビーカーからベルトを外して、子どもを車に乗せて、ベビーカーを車に積んでとしていればあっという間にずぶ濡れになっただろう。
我が家が選んだdoonaではそんな心配も皆無。
1秒で折りたたんで、1秒で装着、3秒目にドアを締めて、5秒目には私も運転席に乗り込んでいる。
言いすぎかもしれないが、ざっと15秒以内で完結するのは本当のところ
いろんなライフスタイルがあると思うけれど、車での移動が多い人なら大枚をはたいてでもトラベルシステムは本当におすすめできる。
我が家では車での外出が体感で1.5倍楽になったを実感
P.S. 元が取れたと思えるほどの車利用率は自家用車なら、2日おき以内には使う。タクシー利用の場合は3日に一度は乗っているという頻度感が適当な線
都会だけでなく、地方こそ車社会でトラベルシステムの利便性の良さに助かることも多いはず。しかし、やっぱりこれが万人に許される選択ではないことは明らか。移動楽のためにベビーカーに約1.5倍~2倍多くを支払うことにそれ相応のメリットがあるのか?
「結局使わなかった、、」
とならないために、
「トラベルシステムを優先しすぎたばかりにベビーカー選びを妥協したかも、、」
とならないために。
ここでは2022年以降の比較的新しいモデルの中からおすすめのトラベルシステムをシーン別にまとめてみた。
ベビーカーとベビーシートが統合されているセレブ愛用者
■ 【トラベルシステム】ドゥーナ i(アイ)
使用期間が短いのは本来デメリットでしかないけれど、裏を返せばそれだけ名残惜しいほどにキレイな状態なら売却もしやすい。3割取り返せる自身のある売買系SNSが得意な人に◎
機動力は劣るが足つきの安定性は最高。優雅な車移動の最高峰
■ 【トラベルシステム】サイベックス プリアム&クラウドT
ドイツ本家のデザイナーが本当にこだわりたいデザインの塊。これぞ「THE CYBEX」。
プリアムよりも一回り小ぶりで駅改札の通過もラクラクの実用的な高級
■ 【トラベルシステム】サイベックス ミオス&クラウドT
前輪のサスペンションの効きが良く、細かい段差もヌルっと越えられる。後頭部保護を重視した選択に。
ワンオペで仕事を抱えつつ無理めな場面でも大容量荷物カゴに安心
■ 【トラベルシステム】バガブー ドラゴンフライ&クラウドT
バガブー ドラゴンフライは都会的な大型機であるだけでなく、10kgの耐荷重容量を生かした荷物カゴ使いが本当のメリット。カメラや衣装、メイク道具を積んで子どもを傍に仕事の役割を果たしたい人に。
B型ベビーカーの最高傑作をA型ベビーカーとして使える
■ 【トラベルシステム】バガブー バタフライ&クラウドT
生後6ヶ月までは家族で育休が取れてじっくり子育てに向き合いたい人向き。ベビーカー卒業まで長く使えるしっかりタイプを軸に月齢の浅い時期を考えるならこの選択はスマート。
ベビーシートにはブランドをまたいで装着可能な商品が沢山あります。ここにまとめておきました。
クラウド G | クラウド Z2 | クラウド T | ||
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発売時期 | 2023年1月 | 2024年2月 | 2021年10月 | 2023年8月 (Z2の改良版) |
対象年齢 | 新生児〜18ヶ月頃まで | 新生児〜18ヶ月頃まで | 新生児〜18ヶ月頃まで | 新生児〜18ヶ月頃まで |
重量 | 4.2kg | 3.9kg | 4.6kg | 4.5kg |
リクライニング | ||||
対応ベース | Base One | Base G | Base T Base Z2 | Base T Base Z2 |
回転機能(ベース) | ||||
トラベルシステム対応 | サイベックス全車種 | サイベックス全車種 | サイベックス全車種 | サイベックス全車種 |
シートベルト対応 | ||||
レーベル | GOLD | GOLD | PLATINUM | PLATINUM |
価格 | ¥29,700 | ¥35,200 | ¥41,800 | ¥44,000 |
公式サイト | 廃番 | 公式 | 公式 | 公式 |
ピパ アーバン2 | ||
---|---|---|
発売時期 | 2024年4月 | 2024年4月 |
対象年齢 | 身長:40-75cmまで、体重:13kg以下(2.5kg以上)、月齢:生後12ヶ月ごろまで | 身長40㎝~83㎝、体重13kg以下(2.5kg以上)、生後15か月頃まで |
重量 | 4.0kg | 3.7kg |
リクライニング | ||
対応ベース | 不要 | ベースネクスト |
回転機能(ベース) | ||
トラベルシステム対応 | ヌナ全車種 | ヌナ全車種 |
シートベルト対応 | 不要 | |
価格 | ¥52,800 | ¥39,380 |
公式サイト | 公式 | 公式 |
ペブル360 プロ2 |
Joolz Aer ジュールズ エア 口コミ評価と失敗しない選び方
| |
---|---|---|
発売時期 | 2024年 | 2023年 |
対象年齢 | 0~18カ月頃 | 0~15カ月頃 |
重量 | 4.7kg | 4.7kg |
リクライニング | ||
対応ベース | FamilyFix360 Pro FamilyFix360 | FamilyFix360 Pro FamilyFix360 |
回転機能(ベース) | ||
トラベルシステム対応 | マキシコシ レオナ2 エアバギー ココプレミア エアバギー ココブレーキ ストッケ YOYO ジュールズ ハブプラス ジュールズ エアプラス | マキシコシ レオナ2 エアバギー ココプレミア エアバギー ココブレーキ ストッケ YOYO ジュールズ ハブプラス ジュールズ エアプラス |
シートベルト対応 | ||
価格 | ¥39,600 | ¥38,500 |
公式サイト | 公式 | 公式 |
アイ・ミューズlx | ||
---|---|---|
発売時期 | 2022年11月 | 2024年4月 |
対象年齢 | 身長:40cm~75cm 体重:13kg以下(2.5kg以上) 月齢:12ヶ月以下 | 新生児から体重15kg(36ヶ月頃)まで |
重量 | 3.6kg | 12.03kg |
リクライニング | ||
対応ベース | i-Base LX2 | i-Base |
回転機能(ベース) | ||
トラベルシステム対応 | ライトトラックス3 DLX ライトトラックス エア ライトトラックス ライトトラックス4 ツーリスト パクト | アイ・ミューズlxのみ |
シートベルト対応 | ||
価格 | ¥27,280 | ¥43,780 |
公式サイト | 公式 | 公式 |
ビーセーフ | |
---|---|
発売時期 | 2023年 |
対象年齢 | 身長40~75cm、体重13kgまで (参考年齢:新生児~12か月頃) |
重量 | 4.8kg |
リクライニング | |
対応ベース | YOYO ISOFIXベース |
回転機能(ベース) | |
トラベルシステム対応 | YOYO |
シートベルト対応 | |
価格 | ¥37,400 |
公式サイト | 公式 |
発売時期 | 2023年9月 |
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対象年齢 | 身長:40cm~83cmまで(13kgを超えるお子さまには使用できません。) ※ 参考月齢:新生児~15カ月頃まで |
重量 | 3.0kg |
リクライニング | |
対応ベース | トラベルシステム ベース |
回転機能(ベース) | |
トラベルシステム対応 | スムーヴ ルーチェ |
シートベルト対応 | |
価格 | ¥39,600 |
公式サイト | 公式 |
ドゥーナ i | |
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発売時期 | 2023年11月 |
対象年齢 | 身長:40~85cm 体重:13kgまで |
重量 | 8.0kg |
リクライニング | |
対応ベース | 専用 ISOFIXベース |
回転機能(ベース) | |
トラベルシステム対応 | 本体に内蔵 |
シートベルト対応 | |
価格 | ¥82,500 |
公式サイト | 公式 |
トラベルシステムのメリットとデメリットからトラベルシステムが向いている人はどういう人かをまとめます。
トラベルシステムにすることで、デメリットが「-4」ならメリットは肌感として「+6」ぐらいと感じました。つまりベビーカー単体よりも1.2倍、総合的にみて楽になります。
そのわずか「+2」を、されど2をどこまで大事に考えるかがトラベルシステム選びの鍵になってくるんですね。
車での移動が頻繁な人はきっと元が取れる
車の利用はごくたまにならスルーでOK!
車での移動が多い家庭には非常に便利ですが、車をあまり使わない家庭や公共交通機関を主に利用する人ならあまり恩恵を受けられません。そういった人はベビーカーとベビーシートの構成ではなく、チャイルドシートを車備え付けで考えたほうが賢明です。その方が長く使えます。
メーカーのカタログを信じ込んでしまうと、それは新生児から1歳半前後までとなりますが実際はそんなに長くは無理!ベビーシートは最長でも1歳までの利用に限られるでしょう。乳児と言えど起きたい、前の景色を眺めたいは意外に早く訪れます。短期も覚悟の上で検討しましょう。
これは前述した利用期間が短いということに関係してくるけどもメルカリなど中古市場をチェックしてみるとかなり状態の良いものが数多く出品されている。二人目でまた使うかも…と取っておくのも正解だけど、個人的なおすすめは利用時期を過ぎたら未練なく処分してしまうこと。モノに執着せず、これからの思い出づくりのお金に替えるほうが賢明に思う。
以上でした。
良い組み合わせが見つかりますように。