運営者
執筆
- ベビーカージャーナリスト
プロ・ベビーカーレビュアー。ベビーカーを10年間で100台以上押し比べてきた体験談を紹介。年間100件の購入相談に応える。講談社や晋遊舎の記事監修など
見習い
- 初産の妻のためにベビーカーを勉強中♂
とあるリス園の出身。妻メーサが少し早めの里帰り出産で実家へ帰ったため時間ができたのでベビーカー調査に乗り出す。代官山を練り歩いていたところ隊長(管理人パパ)と出逢い、話を聞くうちに感銘を受けて弟子入り
アップリカのベビーカーラインナップに新モデルが追加された。
モデル名は『Aprica Luce(アップリカ ルーチェ)』。
ルーチェとは「輝き」という意味。
追随しているのは国内で人気の高い軽い両対面式ベビーカーの『サイベックス メリオ』。
両者を見比べて、しっかり吟味して決めるがいい。
■ アップリカ ルーチェ
発売日 | 2022年2月25日 |
価格 | 69,300円 79,200円(プレミアム) |
対象 | 生後1カ月~36カ月 (体重15kg以下) |
重量 | 5.9kg |
横幅 | 53.9cm |
ハンドル高 | 98cm/101cm/104cm程度の印象 *公式サイトで公表されていません |
リクライニング角度 | 115°〜171°の間で無段階調節 |
サスペンション | 全輪(前後) |
保証期間 | 3年 |
公式サイト | https://www.aprica.jp/products/babycar/detail/luce/luce/ |
まずこれは両対面式ベビーカーである。
さっきも言ったようにシングルタイヤの!!
なんや!できるんやんか!!シングルタイヤ♪
ほんとこう思う。
どうやら国内メーカーが得意なハンドル切り替え型の両対面式ベビーカーというのはダブルタイヤであることが構造上求められているみたい。
昨年コンビから発売の『スゴカルminimo』も、ハンドル切り替えを諦めて、海外では主流のシート付け替え型の両対面式に変えた途端にシングルタイヤで登場したし(こちらもコンビ史上初!)。。
本当にユーザーが「ハンドル切り替えの便利さ > 段差につまづきやすい」を求めていたのか?!
ここにきて分かってきたみたい。
遠目でも高級感があり、アップリカの高級ラインのオプティアに近い質感。
ハンドルとフロントバーは最近主流のフェイクレザー。
シート幅も割とゆとりがある印象を受けた。
見た目はできるだけシャープに、シンプルに見せたいという意図を感じた。
シートクッションに目を向けると、やはりお得意のふわふわ・さらさら系で上手くまとめられている。
ここの通気性は心配なさそうだ。
次はサイズ感について。
シートをフラットに近づけたときの全長はアップリカの中では最大の93cm。
ラクーナやオプティアが83/84cmなので約10cm長い。
これは最近アップリカが気にして取り組んでいるように見える「シートのハイバック化」の影響もあるはずだ。
子どもが成長するにつれて座高も伸びる。
長く使いたいのに幌の天井に頭が付くなんてことにならないように、長さに余裕をもたせているようだ。
全長が伸びた分、曲がりやすさに影響が出ないか心配だったけれど、店内をぐるっと回ってみた感想は特に問題なし。
前輪が浮ついた感じもしない。
あくまでも店内のツルツルの床で試しただけだが走行性能はピジョンのランフィにきっと似ているだろう。
折り畳むと全高は75cm弱と小さくなる。
奥行き幅をぎゅっと圧縮すると35cmほどに。
折り畳み後の姿はそこそこコンパクト。
5.9kgと軽量だし、取っ手も付いているので持ち運びやすい。
一方、折りたたみやすさ・展開のしやすさに関してはちょっと課題があると感じた。
100台以上ベビーカーを押し較べてきた私でも、なかなか新感覚な畳み方。
慣れるまでに少し時間が必要かと見た。
まずベビーカーを詳しく調べている人なら誰でも思うであろう「サイベックス メリオに似ているよね!?」は別の記事で徹底解説することにしたい。
よってここでは、Apricaの両対面式ラインナップとの比較と他社シングルタイヤのそれとの比較をする。
まず、アップリカの両対面式ベビーカーは以下の5つのモデルで構成されていると知っておいて欲しい。
ランク(格付け)は以下の番号順となる。
カバーしているマーケットを考えるとこの表のようになる。
オプティア | ラクーナ | ルンルン | カルーン | |
---|---|---|---|---|
価格 | 7万円台 | 6万円台 | 5万円台 | 3万円台 |
ポジション | 過保護なぐらい新生児の幸せを追求した高級機 | 軽いのに機能モリモリの定番モデル | 段差乗り越え強化で考えた後出しモデル | 対面式の走行性を犠牲にして軽さ重視 |
強み | 質感の高さ | バランスの良さ | 段差乗り越え | 軽さ |
で、今回のルーチェの登場。
ルーチェはこの表の中ではオプティアと並列、ラクーナの上位にあたる位置にくる。
では、オプティアと較べた場合、「あえてルーチェ」を選ぶ理由は?
これは難しい。
何が難しいかって?
そもそもメーカーとしてオプティアとルーチェが7万円台の高級ベビーカー市場の売上を食い合うようなことを想定したくないだろう。
むしろ、この高級ベビーカー市場におけるアップリカのポジション・存在感を保ちたいがゆえの苦肉の策としての登場だと見ている。
というのは、ここ数年(2年ほど)で楽天市場やAmazonに見るベビーカーの売れ筋ランキングの面々が大きく変わってきている。
海外ブランドが(といってもPRやマーケティングは日本支部の敏腕担当者たちだけど)展開するプロモーションの影響で国内メーカーの存在感が薄れてきているのだった。
奪われた席を取り返す!
そんな刺客として送り出されたのがこのルーチェということだと思ってる。
隊長!!
やっぱり脱線してますよ(笑)
こらえてたけどやっぱり出てきちゃいましたよ~
あっ、そうかそうか、、
オプティアとの比較もちゃんと伝えないとな(汗)
オプティアは、特に走行性がどのベビーカーよりも優れている!とかそういうものはないです。はい。
しかし、まるでベビーベッドのような安心感がそこにあります。
押すとガラガラ~♪という古典的な音もします。
ただ振動はシートに到達するまでに上手く吸収してくれているようで子どもは意外にもスヤスヤと寝てくれたり。
ただし!
ここがポイントですが、子どもの月齢が6ヶ月~8ヶ月を超え、腰が座って、なんならベビーカーも前のめりに攻めた座り方を取りはじめるとこのベッドとして役割はもう卒業を迎えます。
一番美味しい時期は1歳ぐらい(乳児期)まで。
そこから先は、周りに見る「手軽な」や「小さく折り畳める」や「上体をじゃっきり起こせる(ルーチェのようなリクライニング角度)」を羨ましく思うでしょう。
その点で、ルーチェはオプティアの後をしっかりカバーできる機能を持ち合わせています。
ルーチェはもちろん生後1ヶ月から使えるA型ベビーカーですが、オプティアと比べるとより後半(生後6ヶ月~)に美味しいベビーカーと言えます。
選び分けのポイントは、
でいきましょう。
スゴカルminimoの利点は、「ミニモ」というだけあって小ぶり=小柄な方でも操作しやすいところです。
ルーチェより800gも軽量で、全長は10cmも短い(ラクーナと同じ)。
折りたたみ方法も従来型で開閉が容易です。
ルーチェと較べた場合のマイナスポイントはシートのリクライニング角度が若干緩く、ルーチェほどシートが起きてくれません(ルーチェ:115° ミニモ:125°)。
軽さを取るか、リクライニング角度を取るかが判断の分かれ道です。
ピジョンの両対面式ベビーカーの定番機で全体的に質は良いです。
ただその分、価格も高い?ので私は毎年「最新にこだわらず型落ちを狙え」を推奨しています。
型落ちだと1~2万円落ちるのが恒例です。
重量は5.9kgでちょうどルーチェとスゴカルmimimoの間ぐらい。
両者との違いは通常モデルにはハンドル高さ調整機能がありません。
毎年それがあるタイプとしてアカチャンホンポから『ランフィリノン』という販売店限定モデルが出ている(毎年3月~4月に発売)ので、こことの比較をすべきでしょう。
ルーチェと較べた場合のマイナスポイントはこちらもシートのリクライニング角度が若干緩く、ルーチェほどシートが起きてくれません(ルーチェ:115°ランフィ:100°)。
おそらく「あれ?逆では!?」と思われたはず。
カタログ状はランフィの方が上体を起こせるはずなのですが、私の実測ではそこまでありませんでした。
これは測り方の違いなのかもしれませんが通常、ルーチェのような多段階式リクライニングと較べてランフィやスゴカルminimoといった多くの国内メーカーが採用している紐による無段階式リクライニングでは実際の角度がカタログより10°~20°ほど甘くなる傾向にあります。
なんにせよランフィは日本人が使いやすい真ん中を攻めているモデル。
斬新さは無い代わりに無理もない。
開閉も簡単です。
ここは慣れた操作性か、リクライニング角度を取るかが判断の分かれ道です。
ルーチェの特徴は以上でなんとなくわかってもらえたかと思います。
私はこれを「アップリカのラフすぎる大冒険」と捉えています。
ベビーカー業界の黒船に真っ向勝負を挑んだ意気込みを僕は買っています。
ルーチェが今後どのような進化を遂げていくのかに期待しましょう。
押し試す際はぜひアカチャンホンポで!
ここがポイント
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