運営者
執筆
- ベビーカージャーナリスト
プロ・ベビーカーレビュアー。ベビーカーを10年間で100台以上押し比べてきた体験談を紹介。年間100件の購入相談に応える。講談社や晋遊舎の記事監修など
見習い
- 初産の妻のためにベビーカーを勉強中♂
とあるリス園の出身。妻メーサが少し早めの里帰り出産で実家へ帰ったため時間ができたのでベビーカー調査に乗り出す。代官山を練り歩いていたところ隊長(管理人パパ)と出逢い、話を聞くうちに感銘を受けて弟子入り
自分にあったベビーカーで過ごす赤ちゃんとのベビーカーライフは楽しいものです。
しかし!
もしベビーカーをはじめて押すママやパパが、その正しい使い方やベビーカーごとの特性をきちんと把握していなければ、こんな怖い思いを先輩はしてきました。
以下はベビーカー選びの相談室で良く聞く声の内容と私の実体験からです。
「なんで!なんでヨ!!」
「衝撃吸収性能バッチリってカタログに書いてあったじゃないの!(●`ε´●)
その気持ち、痛いほど分かります。
ですが、正直に言います。
それ単なる勘違いです。
ベビーカー初心者は主に以下の2点を勘違いしているのです。
ベビーカーのサスペンションは段差から折りた際や、路面の凸凹に対しての衝撃を吸収する効果があるとだけ謳われている=>段差を乗り越えやすいとは書かれていない。
つまり、サスペンションは「段差を乗り越えるための機能」ではありません。
大きなタイヤ(大径タイヤ)は小さなタイヤに比べてころがり摩擦が少なく、押し心地はより軽いと聞きます。
タイヤが大きければ段差も楽々だよね=>タイヤの大きさは横方向への推進力がより大きいに過ぎない。
段差を乗り越えるためには突入した力をどのように段差(壁側)が受け止め(傾斜が付いている・いない=切り立っている)
反動する力に負けず車輪を前に突き進ませる水平力がフレーム構造により保たれるかが影響してきます。
応用力学の複雑な計算が必要です。
つまり、タイヤが大きいだけでは十分条件にはなりません。
「タイヤが大きくなって段差を乗り越えやすい!」の謳い文句を「(前のモデルよりも)乗り越えやすい!」に読み替えましょう。
ひと言で表すと、
メーカーは段差乗り越えを声高には謳っていない。
そして、
ここからは私の実体験と検証結果から語ります。
数ヶ月前(2021年11月)から国内で人気の高いベビーカーを取り寄せ走行テストを重ねてきました。
測る中で、段差乗り越えもテストしてきました。
結果は・・・
「ベビーカーの人気モデルでさえ、段差でつまづくことが多かった」です。
残念ですよね。
走行性が良いものを選んでいたはずでした。
「こっ、、これはどういうことか・・・」
私はテスト結果から巷のベビーカーを押すママ・パパの段差ストレスを心配せずにはいられませんでした。
で、ここで気になったはずです。
「私がいったいどの段差(高さ)でつまづくと言っているのか?」を。
何台ものベビーカーを段差に突入させながら見えてきたものがあります。
浅い段差と深い段差のそれぞれに挑ませながら、どこが「深い=越えるのが難しい」段差のボーダーラインなのかを。
それがわかれば、「無駄に挑まずに済む」=「イケる!と勘違いせずに穏やかに越えようとする」=「つまづき(衝撃で怪我)を予防できる」ですよね。
発表します。
そのラインは「約3cm」でした。
ただ、「この3cmってどのくらい?」が分かりづらいですよね。
いますぐ定規で測ってみたくなったと思います。
でも街歩く中で、常に定規を持参しているわけではないですよね?
ここで私から重要アドバイスです。
それが、「身体尺(しんたいしゃく)を使って判断する」です。
身体尺とは「身体の部分などの長さを基準にした寸法体系」のことです。
なんだか難しく聞こえましたか?
でも、日本人ならどこかで「一寸(いっすん)」とか「一尺(いっしゃく)」とか「一間(いっけん)」という言葉を聞いたことがあるはずです。
そう。
一寸法師の一寸ですよね。
これらは、下記の体の部位を元に長さが想定されていました。
■ 一寸
→親指の幅・人差し指を鍵状に曲げた関節の長さ
→約3cm
■一尺
→手首から肘まで
→約30cm
■一間
→両腕を広げた長さ
→約180cm
住宅建築に詳しくなりたい人は全部覚えたらいいのですが、ここでベビーカーの段差乗り越えに必要な知識は「一寸=親指の幅(約3cm)」だけで十分です。
私が様々なベビーカーで走行テストを重ねた結果、この一寸が「越えられない目安」と気づきました。
これから街中でベビーカーを操作する人は、この親指の幅を思い出して「乗り越えられる・られない」の判断の目安にしてみてください。
隊長!!
これからは、警察の取締を知らせる「車のパッシング」のように、さっき段差を超えてきたばかりのベビーカーを押すママ・パパが、これから段差を乗り越える人とのすれ違いざまに「サムアップ」する文化を流行らせましょうよ!
そんな(勇気ある)奴おるかよ(笑)
どこが無理の基準かがわかるとなんだか逆に安心できますね。
※90%が乗り越えられないと書きましたが、残り10%の「一寸を乗り越えられるベビーカー」が気になったアナタにそっと教えましょう。それは「バガブー FOX3(完璧)」「グレコ シティトレック GB(完璧)」「バガブー ビー6(ぎりぎり)」「アップリカ スムーヴ プレシャス(ぎりぎり)」でした。車輪の性能で著名なバガブーとオフロード仕様のベビーカーが強い印象です。
上記以外は5万円を越える高価格帯のベビーカーでもオールアウトです。だからそのベビーカーの性能を憎むのではなく、そういうものだと思って買い替えをぐっと我慢してもいいんです。
再生リストを用意しました。
36本が連続再生されます。
管理人が選んだ人気のベビーカーを検証する展示企画『ベビーカーリウム』より。
先程「応用力学の複雑な計算が・・・」と書きましたが、ごめんなさい…昔は理系アタマでしたがそれほどこの学問に通じているわけではありません。
ちなみに国語は不得意でした。読んだらわかりますよね(笑)
ですが、本当に深く計算すれば下記のことが関係して「越えられなかったはずのベビーカーが段差を越えられている!!」がきっと科学的に計算で証明されると思っています。
それは、「ハンドル掛けられたに重い荷物マジック」です。
皆さんは、ベビーカーフックなどを用いてハンドルに荷物を掛けた経験がありますか?
経験者なら、なんか荷物を掛けている方が「段差を乗り越えやすいような気がする・・・」と。
これ、身体感覚に基づいて人間は勝手に自己調整するもんだと感心するのですが、やはりママは押しやすいポジションを体感的に掴んでいると思います。
というのは、ハンドルに重い荷物が掛けられることで重心が後輪寄りになり、この影響で前輪は「浮きこそしないが鉛直力が低下」しているはずです。
するとどうでしょう。
大げさに言うと「若干ウィリー気味に段差に突入している状態が生まれ、あら不思議!段差を乗り越えられちゃっている!!」です。
ハンドル掛け恐るべし!!
そういった感覚的なもので掴んだ押し心地の良さを、ベビーカーを慣れたママ・パパは知っているのですよね。
知らずに工夫できていたということです。
単純に「ハンドルの手元にバッグがあると便利だから~」と使っていたベビーカーフック・ハンドル掛けが段差乗り越えの便利に繋がっているとは・・・
これ以上の詳しい計算や理論についてはどこかで理系読者が現れて補足・異論を唱えてくれることを願っています。
間違いは訂正しますので、ぜひお気軽にこちらまでお便りくださいませ。
ではまとめです。
例:ランフィは公式にも2cm程度の段差なら超えると謳っています。(実感としても確かにそうでした。)
3輪も4輪でも乗り越え性能に差はありませんが、3輪でも前輪が1輪タイプのものは、衝突後横ブレする可能性が4輪タイプより高まります。
3輪で段差に臨む場合はかならず両手で操作しましょう。
そして、三輪での段差乗り越え時の安定性は
シティトレック GB > スムーヴ プレシャスでした。
三輪ベビーカーでも前輪がダブルタイヤのものはこういった点で強み(押し心地はシングルタイヤよりも若干重くなるが)があることを知りましょう。
以前、まとめ&比較記事でも紹介しましたが、以下のブランドの商品が安心・安全かつデザイン良くおすすめです。
■ リッタグリッタ
高級感のあるベビーカーフックのパイオニア
■ e.x.p.japon
リッタグリッタの後発ブランド。カラーバリエーション豊富
■ ACTIVE WINNER
Amazonでも常に上位の商品。どんなベビーカーにも取り付けやすい
■ BABYHOPPER
ダッドウェイのオリジナルブランド。大ぶりだがカラビナ式のためハンドル角度を選ばない使い勝手の良さ
ここまで読んで、「わたしたち夫婦の住環境なら一体どれを選べばベストなの??」迷ったら。
気軽に相談できるサービスがあります。
ご夫婦の意見も大切に考えます。
プロとしての知見に基づいた提案をヒントに、答えが見つからない=沼にはまらない・失敗防止にお使いください。
特に「かわったブランドに挑戦」したり、「高額商品で迷っている人」に人気です。
相談してくれる人=「ベビーカー沼にハマってしまう人」の多くが以外にも調査好きで高学歴の傾向にあります。
実際、私よりも相談者の方がスマートな方が多いよ。多くの傾向として、調べるのは得意中の得意だけれども、最後あと一步、「実体験に基づいた肌感覚だけネットに落ちてなくて分からなくなっている」ことが多いです。
お得な買い方も紹介しています。