運営者
執筆
- ベビーカージャーナリスト
プロ・ベビーカーレビュアー。ベビーカーを10年間で100台以上押し比べてきた体験談を紹介。年間100件の購入相談に応える。講談社や晋遊舎の記事監修など
見習い
- 初産の妻のためにベビーカーを勉強中♂
とあるリス園の出身。妻メーサが少し早めの里帰り出産で実家へ帰ったため時間ができたのでベビーカー調査に乗り出す。代官山を練り歩いていたところ隊長(管理人パパ)と出逢い、話を聞くうちに感銘を受けて弟子入り
先日、おすすめしたい素敵なベビーカーがSALEになっていたので、記事にして紹介しようとしていました。
ただ、それは赤色でした。
「はて、待てよ?」
「ただでさえ思い通りにいかず、イライラしてしまう乳幼児期の育児で、赤色のベビーカーって本当に正解なのだろうか?」
「おすすめしていいものだろうか?」
と思いとどまりました。
そんなことを考えていたら、いつの間にか「では、どの色が正解か?」に答えを見つけなくては居ても立っても居られないようになり、今回の調査&ランキングです。
まず、忙しくて時間が無い人向けに、先に答えをランキングで紹介します。
1位:トープ、ブラウン系
2位:コーラル、ピンク系
3位:ライトグレー系
4位:グリーン系
5位:ネイビー・藍色系
以上です。
時間のない人は、「イライラしづらい色ってこんな感じなんだな、参考までにしとこ。」で終わって結構です。
このランキングは、あくまでもそれが「カッコいいか、可愛いか」ではなく、「ベビーカーの押し手が、いろいろある育児のなかで心の平穏を保ちやすい」という基準で選んだものになります。
以下で順を追って説明していきます。
人は知らず知らずにですが目に入った色の影響を受けているといわれています。ラーメン屋の赤い看板文字に食欲をそそられたり、青紫を背景色にしたプレゼン資料になぜか反対意見が出ない、、といった具合に。
それが無意識に私達の心に作用しているのだとすれば、それを上手く使うことで手玉に取ってやりたい。
すべてを両立させる色など無いのかもしれないが、育児に自信がなかったり、色選びの基準をまだ設けていなかった人にはちょっと参考にしてもらいたい。
色は主に3つの影響力を持つと言われています。
「心理的な影響」「生理的な影響」「感情的な影響」です。
ここでは「どんな色のベビーカーを好むのか?(心理)」と「その色を見るとどんなふうに感じるのか?(感情)」は置いておき、生理的に無意識に影響されているバイオロジカルな部分 (神経や細胞レベルで) に焦点を当てて、それを理解した上でベストな色選びを攻略していければと考えます。
それでは、各色が持つ生理的な効果について見ていきましょう。
赤色(レッド)
やる気をアップさせてくれる色である一方、交感神経を刺激し、脈拍を上げ、体温を上げる作用も
橙色(オレンジ)
心の不安や抑圧感を取り除く。食欲も刺激される
黄色(イエロー)
集中力を高め、神経系統の働きを活発にする一方、赤ちゃんを泣かせやすく泣き虫になる傾向が
緑色(グリーン)
刺激の少ない中間色。見る人に安心感を与え、また自然が持つ癒やしの効果をもたらす
青色(ブルー)
心を落ち着かせ、冷静に物事が判断できるように。副交感神経を刺激し、脈拍や体温を下げ、呼吸もゆっくりと
紫色(パープル)
すでに疲れている人が好みやすい色。神秘的な色である一方、自然界では珍しい色なので子どもウケはよくない
コーラル・ピンク
心とカラダを若がらせる色。気持ちの高ぶりを抑え、不安を軽減する効果も
黒色(ブラック)
権威・知性の象徴。重圧感や自立している印象を与えるため交渉事には有効。どんな場面、、
灰色(グレー)
控えめで穏やかな印象を与える。地味な印象の反面、周りの色(コーディネート)を引き立てる効果も
白色(ホワイト)
清潔・洗練されたイメージをあわせもつ色で、初対面の人に会うときなどは好印象を得やすい
『子どもの好きな色』についても色彩心理学も交えながら研究が進められています。こちらのサイトでは学研総合教育研究所によるアンケート結果がまとめられています。
いわゆる赤ちゃんの時は、赤・青・黄など、明るく鮮やかで視認性の高い(見えやすい)色を好む
反対に、茶色や黒などの暗い色は好みにくい
紫も嫌う子が多いのですが、これは紫がほとんど自然界に無い色のため、無意識に拒絶している
総じて赤ちゃんの時は、明るく自然な原色を好む傾向にあると言うことで、ベビー用品も赤や青・黄・緑などの物が多く、茶色などのものは少ない
以上の結果から気をつけたいポイントは、子どもの視界に入る世界をどうアレンジしてあげるかだと思います。
外観は暗い色でも子どもの視界に入らない世界としてOKでしょうし、逆にサンキャノピーの内側は原色や明るめの色使いが安心できるのでしょう。
けれども、先程挙げたように「黄色」は赤ちゃんを泣きやすくする色ということで、有彩色も使いようによっては危険です。外側だけにしておきましょう。
この点から、キャノピーの内側内装部分で色や柄の差し替えが可能であったり、帆のカラーコンビネーションの選択肢が多いオプションがあると嬉しいですね。
海外ブランドなどは割とシックな色使いが多く、内外装で同一色というところがほとんどを占めていました。
キャノピーを広げる時は「ネンネの時」ですから、基本的には鎮静色と言いますか、暗い色・重い色が寝やすいのではないかと考えられます。
参考:子供の好きな色は何色?色と子供の関係 | パーソナルカラー・デザイン・イラストのみくるみカフェ
参考:きらいな色についてみると、年令別 、性別を超越じてきらいな色の第1位 に黄土色をあげている。(論文より抜粋)
参考:子供部屋の色選び:幼少期の健やかな成長を促す色とは? – Houzz
この段落必要?と思いましたが、そもそもこの記事をまとめようと考えたのも「色には不必要に押し手と周りを興奮させてしまう色がある!」と実体験から確信していたからであり、わかっていることですが敢えて書いておきます。
私がもっとも微妙だと考えているのがズバリ『赤色のベビーカー』。
やる気を起こさせる色と常に接触していると、本当はフルで頑張っている状態のママ・パパに常に薪をくべられてしまい、心情的に心休まらないのではないでしょうか。
そして、混雑した環境の中でベビーカーの赤色が周囲を不必要に感情的にさせてしまうのではないかと不安を感じます。
でも赤色って、私がそうなのですが、意外に男性の中でも好きなカラーに挙げる人が多いように思います。
フェラーリの赤、スラムダンクの湘北の赤、シカゴ・ブルズの赤、ジュウオウイーグルの赤、ウルトラマンの赤・・・
赤はヒーローにつきものの色です。
ですから、レカロのベビーカーなんかを見ると「自分が買うならやっぱり赤かな~」とうっかり選んじゃいそうになるのですが、それは毎日接するものですから、その色選びで将来自分の心が不必要に興奮してしまわないかをしっかり吟味する必要があると想うのです。
たまにしか押さない人は別ですよ。
でも、毎日付き合う人は、そんなことも先回りして考えた『疲れない・興奮しない・興奮させない』ベビーカーの色選びに気を遣うべきだと考えます。
さて、すでに冒頭で「どんな色のベビーカーがイライラしない子育てライフに最適か?」についてランキング形式で紹介していました。
ただ、ここまで説明してきた内容をすべてぶっ飛ばす強力な説に私はひれ伏したのですが、それが下記の引用です。
「自分の好きな色」というのは癒しの効果があるといわれていて、好きな色の物を身につけると人は安心する。
【こんなにも凄い】色が人の心理と行動に与える影響とは (btrax)
なんというか、
これも同感だな~って。
どうしても「この色、自分はなんか嫌」には勝てません。
ということで、上記の無意識に侵されている色彩による生理的影響力を知った上で、それを上手に攻略するベビーカー選びになっていると良いのではないかと想うところです。
アナタがここまで読んで選んだベビーカーなら、どれも正解なはずでしょう。
もっとちゃんと色の効果について知りたいという人にはAmazonで売れているランキングから下記の書籍がおすすめです。地元の図書館も散歩ついでにチェックしましょうね。
ちょっと毛色が違うけど、自分や子どものソウルカラーで選ぶのも面白そう!