運営者
執筆
- ベビーカージャーナリスト
プロ・ベビーカーレビュアー。ベビーカーを10年間で100台以上押し比べてきた体験談を紹介。年間100件の購入相談に応える。講談社や晋遊舎の記事監修など
見習い
- 初産の妻のためにベビーカーを勉強中♂
とあるリス園の出身。妻メーサが少し早めの里帰り出産で実家へ帰ったため時間ができたのでベビーカー調査に乗り出す。代官山を練り歩いていたところ隊長(管理人パパ)と出逢い、話を聞くうちに感銘を受けて弟子入り
米国発のベビー用品ブランドが『GRACO(グレコ)』。
親会社はベビージョガー・ブランドなども所有する『ニューウェル・ブランズグループ』で、過去には国内メーカーの『アップリカ』を買収し、現在はアップリカも取り込んだ一大企業グループとなっています。
さて、そんな米国発世界に覇権を握る企業からの三輪ベビーカー『シティトレック GB』
あらためてエアバギーと比較せずにシンプルにまとめます。
三輪ベビーカーの欠点としては、重心が後輪側に偏っていることもあり、ハンドルに荷物をかけすぎると後転してしまうリスクが高いことがありました。
それを補うためにはシート下カゴにわざと重量のあるものを置いたりと無駄がありました。
それがシティトレック GBの場合は、出発時にはお出かけ用の荷物をバックパックにたっぷり詰め込んで、それをシート下カゴに入れておく(走行の安定)、帰りの途でスーパーに寄ったなら、カゴの荷物をひょいと背中に背負って、今度は下カゴにスーパーの買い出し品を積んで帰れる。
そんな車でいうと、N-BOX(ホンダ)のような使える乗用車になっている印象です。
ちなみに荷物カゴに積まれているカメラリュックはこちらです。
これならパパカメラマンも安心ですね(笑)
ハンドル位置は足元空間の確保のためか若干高め(103cm~104cm程度に見えます。サイベックスのイージーS2ぐらいですね。)だと思います。
しかし、全長がエアバギーよりも6cmも短く、ベビーカーの鼻先の視認性は悪くないです。
「じゃあ、エアバギーと比べての走行性はどうなの?」が気になる人は多いはずです。
それに対する答えは、安定性はシティトレックの方が高い(前輪がダブルなので)ですが、直進性(押し出しの滑らかさ)はエアバギーに軍配があがります。(エアバギーを10とするなら8か8.5でしょう。)
発売時期 | 2021年9月29日 |
価格 | 37,400円 |
ブランド | グレコ(米国) |
タイプ | 三輪(A形) |
対象年齢 | 生後1カ月~36カ月(体重15kg)まで |
サイズ 幅×奥行×高さ | 展開時:55.2×90.3×109.4cm 折畳時:55.2×36.8×85.5cm |
重量 | 8.8kg |
荷物容量 | 耐荷重最大5kgまで(33.3L) |
ハンドル高 | 103cm |
座面高 | 50cm |
リクライニング | 113°~155°(無段階調節) |
背もたれの長さ | 44.5cm* *公式に発表されていないため独自に計測 |
レッグレスト | 固定 |
バンパーバー | あり |
車輪サイズ | 前輪:22.2cm 後輪:22.2cm |
サスペンション | 全輪 |
カラー | リーフグリーン |
付属 | レインカバー |
オプション | - |
トラベルシステム | 不可 |
取得安全基準 | EN1888-2012準拠 |
保証期間 | 購入後1年 |
公式HP | https://www.gracobaby.jp/stroller/cititrek_gb |
■ 本体
単に「買い物かごが積める三輪ベビーカー!」というだけがウリではありません。新生児から使えて、悪路にも強く、買い物にも便利、そしてなにより安い! これからの流れが変わりそうなニュースタンダードなベビーカーですね。
シートを汚さないためや、月齢が浅い時期におすすめのベビーカークッションを挙げておきます。
敷きやすさ | |
---|---|
サイズ感 | |
折り畳めるか |
シティトレックはスムーヴに比べてレッグレスト部分の長さが短い。それをこのマットは補完してくれる。サイズ感良し。
ライバル候補は三輪ベビーカーカテゴリーの面々になるでしょう。
シティトレックGB | ライトトラックスエア | ビーアジャイル3 | ビーモーション3 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
ブランド | グレコ | ジョイー | ジョイー | ブリタックスレーマー | ブリタックスレーマー | マウンテンバギー | マウンテンバギー | ハウク |
発祥国 | 米国 | イギリス | イギリス | ドイツ | ドイツ | ニュージーランド | ニュージーランド^ | ドイツ |
発売日 | 2021年9月 | 2015年4月 | 2016年7月 | 2016年4月 | 2016年6月 | 2017年5月 | 2017年5月 | 2019年1月 |
対象 | 生後1カ月~36カ月(体重15kg)まで | 生後1カ月~36カ月(体重15kg)まで | 生後1カ月~36カ月(体重15kg)まで | 生後1日目~15kg(4歳頃) | 新生児~15kg(4歳頃) | 新生児〜20kg(5歳頃) | 新生児〜20kg(5歳頃) | 0ヶ月から25 kg(5歳頃)まで |
サイズ 幅×奥行×高さ | 展開時:55.2×90.3×109.4cm 折畳時:55.2×36.8×85.5cm | 展開時:54×89×103cm 折畳時:54×30×81cm | 展開時:53×91×103cm 折畳時:53×28.5×85cm | 展開時:58×90×100cm 折畳時:58×71×38cm | 展開時:58×100×105cm 折畳時:58×70×27cm | 展開時:58×100×100cm 折畳時:58×25.5×72cm | 展開時:58×100×100cm 折畳時:58×31×72cm | 展開時:61×107×109cm 折畳時:61×39×88cm |
重量 | 8.8kg | 9.3kg | 10.1kg | 7.8kg | 11kg | 7.6kg | 9.1kg | 11.55kg |
荷物容量 | 5kgまで | 4.5kgまで | 4.5kgまで | 4kgまで | 4kgまで | 5kgまで | 5kgまで | 3kgまで |
サスペンション | 全輪 | 全輪 | 全輪 | 全輪 | 全輪 | なし | なし | なし |
トラベルシステム | 不可 | 可 | 可 | 可 | 可 | 可 | 可 | 可 |
価格 | ¥37,400 | ¥22,880 | ¥33,880 | ¥38,500 | ¥49,500 | ¥66,000 | ¥90,200 | ¥38,500 |
公式サイト | GRACO | Joie | Joie | Britax | Britax | Mountain Buggy | Mountain Buggy | Hauck |
海外ブランドでは安価なジョイーがライバルで、その他はかなりニッチめな目的で選ぶことになるでしょう(他人と絶対にかぶりたくないとか)。
メインは国内ブランドの2つ。
エアバギーはオフロード・オンロード程よく使えて段差へも強い。
ドリンクホルダーがおしゃれのアクセントになっています。
スムーヴは折りたたみ後の自立姿がスリムでいいけど、段差へのアプローチは固め。
オンロード向きです。
シティトレック GBはなんといっても公園遊びを中心に考える人向け。
段差にも強く、スーパーの買い出し荷物も余裕で持って帰られる。
カゴにおもちゃを山ほど積んでお出かけできる。
三輪ベビーカーというと玄関での収納性の低さが問題だった。
いくら悪路の走行性が高くても、狭い玄関に「デーン!」と鎮座されては日々の出発・帰宅がうんざりするほど気分が重たくなってしまう。
その点、このシティトレック GBは畳んでも奥行きがわずか35cm程度(≒ラクーナ)と優秀だ。
これは一般的な国内メーカーの折り畳みサイズとほぼ変わらない。
玄関に遠慮なく畳んで置いておける三輪ベビーカー。
そして、たっぷりおもちゃやスコップを積んでの公園遊びや、帰りの買い出しが便利なベビーカー。
もはや、三輪ベビーカーだから走行性がいい、三輪だと恥ずかしい、三輪だと大きすぎる、などいろんな「けど、だけど」を超越した使い勝手の良さを盛り込んだ一台でしょう。
MAさん
グレコ シティトレックGB
【操舵性】動かしたい方向にストレスなく動かせる。バックもスムーズ。
【走破性】揺れがかなり少ない。段差に突っ込んだ時はやや揺れるがガクンとならない。
【走行音】どんな道でもガタン!とかガラガラという音がしない。スーツケースのガラガラ音が気になる自分としてはとてもポイントが高かった。
【大容量のカゴ 】 選考時は重視していなかったけれど、レジカゴがそのまま入るのはやはり便利だった。いろいろ詰めたマザーズバッグでもすっぽり。
【肩ベルトの高さ調整】
シート内の固い板の穴から肩ベルトを出し入れしなければならないが、信じられないぐらい通しにくく(穴にほぼ余裕がないのにプラスチックのベルト調整具も通す必要がある)、固すぎてペンチで引っ張った。これだけは絶対に改善が必要と感じた。
【重さ】
3輪では軽い方だが、平均より少し力がある自分でも重たいと感じた。持ち上げての運搬は華奢・小柄な人はきついと思う。
折りたたみ:慣れが必要。ハンドルが下になるので、荷物フックをかけていると地面についてしまう。
【幌】
赤ちゃんの様子が見られると謳っているメッシュ窓が後方についているが、身長150台後半の自分がフルリクライニングした時に丁度見えるぐらいで、シートを起こすとハンドルとかぶってよく見えなくなる。身長170台後半の夫からは完全に死角になりどうやっても見えない。
【大容量のカゴ】
レジカゴを入れた場合、フルリクライニングしていると上部の隙間があまりできないため商品を滑りこませるようにしてカゴに入れることになる。シートを起こすにつれ使いやすくなる。
〈気になる点に対しての工夫〉
持ち運び→
自宅は2階・エレベーターなしのアパートのため、先に1階玄関にベビーカーだけ出しに行き、後から子どもを連れて行く(帰りは先に子どもだけ家に置きに行く)ようにしている。重い物を持ち慣れている人の場合階段程度の時間なら肩に掛けられなくもない(外側になるフットレストを持つと安定する)。ただ、この場合固いバンパーがダイレクトに肩に刺さる。ジェルトロンのショルダーパッドLを丁度バンパーに巻くことができるので、こうすると肩の痛みは幾分マシになる。もちろん両メーカー非推奨、自己責任ではある。子どもはポルバン(+ショルダー)に載せて左手で支え、右肩にベビーカーをかけ、買い物をした場合はレジカゴリュックを背負って階段を上がることは自分の場合一応できた(安全面からオススメはできない
が…)。
ハンドルの高さ→
身長150台後半だとハンドルはみぞおちとへその中間ぐらいの位置に来るため、やや高いと感じる。体に引きつけて押すと手首が上に曲がるためだんだん痛くなってくる。少し体から離して遠めに押すか、ハンドルの脇を持って押すかという工夫が必要。身長170台後半の場合は丁度良いよう。
ベビーゼンは一番迷ったがハンドルが高いのが普段使いとして気になった。サイベックスは特に気になる所はなかったが、最終的に悪路に強いを重視して安定のエアタイア・3輪(4輪でも大丈夫だったかもしれないが、家の周りで試す機会がないため賭けになるのが心配だった)にした。エアバギーはシティトレックより重くて厚いため選外に。