2024年5月のタイプ別おすすめ 

軽いハイシートベビーカーがつまづきやすい理由

今回はサラッといきたい。

ベビーカーの重心に関してはときどきTwitterでもつぶやいたりしてきた。

重心は低いほうが段差乗り越えで安定し、高いとつまづきやすい。

「でも待って!」

大きさを許せば、予算が許されれば走破性能は最強!と謳ってきたバガブーのフラッグシップ・ベビーカー『フォックス』だって、座面高は60cmもありハイシートじゃん。どうしてアレは大丈夫なの?

時間のないのを承知でまずは下記の動画を観てもらいたい。
早送りすれば5分もあれば観終わるので、これからベビーカーの購入を考えている人は必見である。

RISU

隊長!電動キックボードに関する動画ですよ?

管理人パパ

確かにそうなんだけど「重心位置の違いによる(段差)乗り越え性の違い」についてわかりやすく解説されている。

ここがポイント
  • 重心位置の高いベビーカーは段差でつんのめった際に、前に行こうとする力が低いベビーカーよりも強い
  • 高い位置からの転倒になるのでシートベルトの締め忘れ、大怪我に注意したい

ちなみに、

ハイシートの基準ですが、地上からの座面の高さ「50cm」が基準になっています。
50cm以上をハイシート、それ以下(~49cm)をローシートと言うんですね。

RISU

「ローシートモデルですっ!」てのはあまり聞きませんけどね。

管理人パパ

僕の記憶だと2010年代前半に日本で取って付けられた「売り文句」だったような気がする。2000年代一斉を風靡したマクラーレンはかなりのローシートだったし、コンビのエッグショックがはじまったぐらいから国内で広まった印象。

話が脱線した。戻そう。

ハイシート・ベビーカー全般が悪いわけではない。

私が問題視しているのは、「足が軽いハイシート」。

つまり、全体を軽くするために車輪周りまで軽量化されたため、それはまるでモデルのような高身長の女性がハイヒールで闊歩しながらも段差におぼつかない状態をイメージさせる。

海外のプラムやストローラーの文化では、新生児~乳児は「コット(バシネットとも呼ばれる)」を基本とする乳母車の造りで車輪も大きく頑丈であった。

そんなベビーベッドに車輪を付けたスタイルの表面的な部分だけが国内ではスタンダードになってしまい、軽量化もあいまって「足元がふらつくならダブルにしちゃえ(ダブルタイヤ)!」の発想からかバランスを欠くものになった印象を受ける。

私は上にばかり伸びるハイシートベビーカーには警鐘を鳴らしたい。

上に伸ばすなら足元は頑丈な作りにすべきだ。

メーカーはあくまでも国内(ユーザー)のニーズに忠実に軽量なモデルを出しているに過ぎない。

私たちが「軽さ」を諦めることはないように思うが、行き過ぎたハイシートには疑問の目を持っておきたい。

足元ずっしりなら、ハイシートでも安心。

車輪の重さは命の重さ。
重心は低ければ低いほど安心。

けれど、高ければ高いほどお世話はしやすい。

引き換えに段差につんのめっているその時、子どもの脳は揺れているのだろう。

目次

補足

自分で読み返した読後感に「日本のメーカー批判」をうっすら感じたのでちょっとフォローしておきたい。

日本メーカーの軽量を叶える技術は世界でも抜きん出ているように思う。
いや、日本は世界の考え方とは真逆を行っていると言ってもいい。

確かに国内メーカーのベビーカーは海外ものに比べると段差に弱い。
いや、弱いというよりそもそも段差に突っ込む考え方を前提としていないだろう。

日本のユーザーの「段差にはソロソロと前輪を持ち上げて」といった月齢浅い乳児ははこうして当たり前!の倫理観をベースにしているように思う。

われわれ期待されすぎでは!?

私はそれを悪い考えだとは思わない。
ただそれだけに、その造りは海外のプラムやストローラーとは一線を画したものだとの理解は促したい。

その程度の段差性能は海外では「バギー」であり、しかしクッション性にすぐれた丁寧な造りも併せ持つ。

だからそれはやっぱり和製英語の「ベビーカー」なんだと思う。
ジャパニーズ・バギー、それが「ベビーカー」なんだ。

段差には弱いけれど、バリアフリーでない都会の階段場面では軽くて持ち運びやすいのは助かる。

弱い部分を理解した上で無理をしない。
工夫しながら使い分ける(例:国内の軽量ベビーカー + 段差に強いバギーのリベル)。

それがベビーカーライフの満足度を上げるポイントでもある。

軽い足しか持たないものなら、ローシートな「越えれる奴」を相棒にして。

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